| 2009年1月18日〜25日 Smooth Jazz Cruise hosted by Wayman Tisdale |
| カフェテリアでサラダを盛っていたら、気付くとPeabo Brysonが隣でプチトマトを取っている。水を取ろうとしたらJeff Lorberと同じグラスに手を伸ばしてしまい、互いにとっさに謝る。まだ若い美しい夫妻とつぶらな瞳の赤ちゃんがいるなぁと思ったら、Jonathan Butlerの娘さん夫婦と孫。アーティストはそれぞれ自分の家族を連れてきていて、大にぎわい。アットホームでリラックスした解放的な空気に満ち溢れ た、夢に見たことすらないようなキラびやかな世界! 船内には大中小5カ所の演奏会場があり、各会場では各タイムテーブルにそってイベントが催される。コ ンサート以外にも、スパでJody Watleyのお化粧教室、バーでEverette Harpによるマルガリータ振る舞い、Wayman Tisdale一家のインタビューセッション、Gerald Albright一家の料理教室、など、あらゆる場所で様々なイベントが盛りだくさん。複数のお目当てイベントが重なっていて「体が2つあれば!」と嘆く こともしばしば。 |
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その間、狭いながらも雰囲気のあるPiano BarではJon
Stoddardがしっとりと夜を彩る。23時15分からは中規模のクラブ会場にてJody
Watleyのダンス系ステージで1時間ほど盛り上がる。そして、これは毎晩のことだが、深夜まで最上階のクラブでDJが曲をかけ、ミュージシャンも乗客
もみんな一緒になって踊り明かす。
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●2日目は、11時からゴスペルコンサート。ここでは、Jonathan Butlerが中心になり、ゴスペル界の重鎮Fred Hammondも登場。彼は今回、癌と闘うWaymanを励まそうと、なんと自費で参加。バックトラックとコーラス3名のみでのパフォーマンスだったもの の、その素晴らしい歌とゴスペルエネルギーに他のアーティストも観客も圧倒された。私は2000年の米国内ゴスペルツアーで彼がスタジアム級の大会場全体 を熱気ムンムンにさせていたエネルギッシュでdivineなパフォーマンスを見て知っていたが、スムースジャズをよく聴く層の間ではそれほど知られていな かった様子。しかし、そのあまりもの反響に、急遽Fredのコンサートがより大きい会場に変更され、タイムテーブルも変更された。ゴスペルコンサートは大 変な盛り上がりで、12時半までの予定が、気づくと13時になっていた。午後にはGerald Albrightの司会でEverette Harp, Kirk Whalum, Tom Braxtonのサックス奏者による「Sax Chat」がクラブ会場で行われ、続いてBrian Simpson, Jeff Lorber, Arlington Jones, Matt Rohdeによって、全員がキーボード奏者の「88 KEYS」というイベントが行われた。夜は、18時からJeff Golub、19時からPeabo Bryson、21時からEverette Harp、22時からPeter Whiteのコンサートが大ホールで行われた。
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●3日目の1月20日はオバマ大統領の就任式。大ホールがテレビ放映会場となって、乗客が集まり、それはそれはものすごい盛り上がり
様。その後、15時にSan Juanという町に接岸。しばらくEverette Harp夫妻とTony
Maiden夫妻と船内9階のレストランで話し込んでいたが、外の素敵な風景に惹かれ、私はTony夫妻と娘のAmandaと一緒に船を降り、町を散策し
た。Tonyは帽子を2つ購入。その日以降のステージでその帽子を被ってご機嫌に演奏。各ミュージシャンも、こんな風に気分よく気ままにクルーズライフを
enjoyしている。
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夜は19時からJeff Lorber、20時からWayman Tisdaleの大ホールコンサート。22時からFred Hammondのコンサートがクラブ会場で行われた。23時にSan Juanから出航するのに合わせて、野外のプールサイド会場では、DW3という若者のグループがメインとなってStevie Wonderの曲を次々と演奏。そこに、Tony MaidenやJonathan Butlerなどが飛び入りして大盛り上がりとなった。
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●4日目。10時に目覚め、屋外プールサイド行くと、これまでの風景は海と水平線のみだったのに、濃い緑の草木が鬱蒼としげった島が目に飛び込んできた。ちょうどSamanaというドミニカ共和国の小さな港町に接岸したところだった。
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Mitchaelle
Maiden(Tonyの奥さんでRufusのマネージャー)と小船で島まで行き、途中で親しくなった熟年カップルと観光を楽しむ。このカップルもそう
だったが、親しくなって連絡先を教え合うために名刺交換をすると、大抵の人が「president」や「CEO」だったりする。そうでなければ、Waymanの幼少時代からの友人だったり、兄弟だったり、アメリカの有名番組の司会者だったりで、驚いてしまう。
一番驚いたのが、Take
6のメンバーDavid
Thomasの奥さんがいたこと。レストランを歩いていたら、突然「Michiko!!」と女性に呼びかけられた。振り向くと、David夫人が笑顔で手
を振って駆け寄ってきていた。私は今回、ちょうどこのクルーズの時期とTake 6の来日公演とが重なってしまい、この14年ほどで初めてTake
6の来日コンサートを1つも見に行けない状況となっていた。Take
6のメンバーには数ヶ月も前にちゃんと連絡していたのに、実際に私がいつまでたっても姿を現さない現実の渦中で何やら心配になったようで、メールなどのあ
らゆる通信手段を使って、私に「Michiko、どこにいるの? いったい何かあったの? 家族の皆さんは元気? 大丈夫だといいんだけど」と安否をたず
ねてきてくれた(笑)。Take
6の来日公演は見れずとも、David夫人にたまたまここで出くわすとは、「腐れ縁」というか、相変わらずの強いつながりを感じて驚いた。
さて、船は17
時半にはSamanaから出航。船内では18時〜20時にオールスター勢ぞろいの豪華コンサートが大ホールで行われた。乗客は1000人ずつ2つの観客グ
ループに分けられているので、21時〜23時にも同じコンサートが行われた。「同じ」といっても、インプロヴィゼーション合戦で演奏が成り立っているの
で、セットリストは決まっているものの、「同じ」内容のコンサートにはならないのが凄いところ。さすが、spontaneousに音楽才能があふれ出る
「本物の」ミュージシャンの集まりだ。クラブ会場では、22時45分からTom Braxton、23時半からJon
Stoddartが演奏をし、これまた会場はいっぱいとなり、大盛況だった。
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大ホールでは、それぞれもう1つの観客グループに向けて、18時からEverette Harp、19時からPeter
White、21時からJeff Lorber、22時からWayman
Tisdaleのコンサートが行われた。Waymanのコンサートに飛び入りミュージシャンが続出したため、コンサートは23時30分にまで延びてしまっ
た。というのも、なんと、Rufusたちが乗り込んだのと同じタイミングで、Dave KozとMarcus
Millerまで船に乗り込んできていた! 2人が何の予告もなく突然ステージに姿を現したので、観客は最初信じられず、狂喜の歓声を上げ、最高潮の盛り
上がり。
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そのステージが終わると、今度は野外プールサイドでGrover
Washingtonの曲を演奏していたDW3に次々とミュージシャンが加わっていき、ここでも豪華セッション! 25時過ぎまで興奮のステージは続い
た。
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●6日目。今朝は、午後から行われるRufusの2人(Tony Maiden, Kevin Murphy)とChaka
Khanへのインタビューセッションに向けての話し合いと準備。インタビューは14時から大ホールで行われた。Pat
Prescottという米国で有名な女性パーソナリティーが司会をし、3人にいろいろと質問をし、答える。「Rufusの成り立ち」「Rufusというバ
ンド名の由来」「最初、Chakaをどう噂に聞き、紹介されたのか」「数々の名曲はどのように書いたのか」「昔ツアー中のおもしろエピソードを1人1つず
つ披露」「ChakaはRufusから離れてソロ活動をしたが、お互いの関係はどうなのか」など、興味深い内容が続く。最後に、即興で、Tonyのギター
にあわせてChakaが「I Dreamed Of Someone Like You」を歌ってくれた!
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夜になると、18時からKirk
Whalum、19時からMarcus
Miller、さらにもう1つの観客グループに向けて、2人が同様に21時、22時にもコンサートを行う。KirkのステージにはDave Kozも飛び入り。散々盛り上がったあと、クラブ会場を通り過ぎよ
うとすると、耳慣れたフレーズが耳に飛び込んできた。Dave Kozの「Honey
Dipped」だ。あわてて右に振り向いてステージを見やると、Brian
SimpsonのステージにKozが飛び入りしている! パーカッションにはLenny Castroが飛び入りして一緒にパフォームしている。あやうく全て見逃すところだった。こうやって、惜しげもなく、豪華なメンバーのステージがあらゆ
る所で繰り広げられているのだ。
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●7日目。朝から、今夜いよいよ実現するRufus featuring Chaka Khanのステージに向けて、リハーサルが行われた。Blue
Note
Tokyoのときと比べれば当然会場が広いので、そのときとは演奏中のバンドメンバー間のコミュニケーションの仕方を初め、モニターや会場内の音の響き方
も変わる。第2ギターのDarrell CrooksもBrian Culbertsonも今回は不在。代わりにキーボードにはBrian
Simpsonが加わった。コーラス隊も、ChakaバンドのTiffanyとMabvutoにMadame
Deeを加えた3人。Chakaが加わったことで、Rufusの東京公演のときとはセットリストも変えてきているため、「Angel」
「Hollywood」「Pack'd My Bags」などを中心にリハーサルを行った。
その後、接岸しているBahamasの島にあるHalf
Moon
Cayというビーチへ皆で船で行き、ミュージシャン・関係者のみのプライベートバーベキューパーティーへ。狭いスペースに有名人がギッシリ(笑)。
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コン
サートに十分に間に合うように少し早めに切り上げて船へ戻る。私はRufus側から写真とビデオの撮影を頼まれていたので、会場のうち絶妙な席を探し、確
保。「Everlasting
Love」の歌詞も事務所でプリントアウトして楽屋へ持っていき、準備完了。席へ戻ってコンサートの始まりを、今か今かと待っていた。
いよいよ、今回のク
ルーズ全体のホストであるWaymanがステージに登場。いつものように、1人の補助者に右脇を支えてもらいつつも杖をついて自分で歩いて出てくる。
Rufusの登場を促すMCをすると、サプライズで、Waymanの長女Danielleと、Tonyの長女Amandaが出てきて、Waymanを励ま
すゴスペルソングをアカペラで披露した。ほんの30分ほど前に、バーの裏の暗がりで2人で練習をしているのを見かけたのだが、あれだけ多くの聴衆の前でそ
れをパッと堂々と披露できるとは、さすが。
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その後、WaymanはDanielleに支えてもらってステージ袖へ戻り、いよいよRufus
featuring Chaka
Khanの演奏がスタート! 前日のインタビューセッションの中で、ChakaがTonyとKevinとの間柄について「We love each
other.」と真剣な顔で言うほど、篤い信頼関係で結ばれている3人。今後の可能性を感じるすばらしいステージだった。去年Blue Note
Tokyoで行われ大いに盛り上がって話題となったRufusのファンキーでタイトな演奏をバックに本物のChakaが歌うのだから、よくないわけがな
い。観客には、彼らの再結成を見たいがためにドイツやスイスからはるばるとやってきたファンもいた。
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「Everlasting
Love」では、なんと、2番目の歌詞のところでFred
Hammondが歌って出てきた。その後もChakaと交互に歌い、TonyがFredに自由に歌う時間を与え、そこで2分ほど自由にパフォーマンス。こ
れが非常に素晴らしく、ChakaはFredのまろやかな声と歌いまわしにメロメロな様子(笑)。
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その後、コンサートを観客席から見ていたMarcus
Millerがたまらず飛び入り。そのまま、2ndショーが始まるまで待ち、また2ndショーでも後半に飛び入りしていた。特にTonyのギターに惚れて
いた様子で、楽屋で目をきらきらさせて興奮しながら「RufusのTony Maidenか!スゲェ!(Maaan!! Tony Maiden of
Rufus!!!)」と大声で何度も連発(笑)。Marcusには、以前から「Tonyと一緒になんかプロジェクトやってくださいよー」と言ってみていた
ものの、MarcusはTonyのギターをライヴで聴く機会がなかったらしく、あまり興味を示さず。が、今回でMarcusの意識も随分と変わった様子。
今後、何かが起きるか? 期待が高まる。最後の3曲「Ain't Nobody」「Do You Love What You Feel」「Higher」では、Kirk WhalumとEverette Harpも飛び入りし、大盛り上がりとなった。
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Rufus featuring Chaka Khanのセットリストは、以下のとおり:
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0. *2nd showのみ* His Eye's On The Sparrow -- Amanda Maiden(Tonyの長女)と Danielle Tisdale(Waymanの長女)による Waymanへのサプライズパフォーマンス(アカペラ) 1. Once You Get Started 2. You Got The Love 3. Stop On By 4. Tell Me Something Good with audience corresponding 5. Sweet Thing 6. I'm A Woman [I'm A Backbone] 7. Angel 8. Stay 9. Hollywood 10. Everlasting Love (special appearance: Fred Hammond) 11. Pack'd My Bags 12. Ain't Nobody (special appearance: Marcus Miller, Kirk Whalum, Everette Harp) 13. Do You Love What You Feel (special appearance: Marcus Miller, Kirk Whalum, Everette Harp) 14. Higher *encore* with each band member's solo performance (special appearance: Marcus Miller, Kirk Whalum, Everette Harp, Amanda Maiden) |
●翌日は、朝から乗客がグループに分けられて時間を区切って下船。私はミュージシャンたちとともにバスで空港まで向かい、Tony夫妻を見送り、フォートローダーデールで1泊して翌日帰国した。
これで夢のようなクルーズも終わり。数えきれないほどの想い出と経験に、大満足! ただし、このクルーズは日本人にとってはかなり難易度が高いと実感。
まずは英語力。これが、英語がかなりできて、しかも、割と上流階級の外国人と心地よく話せるようなコミュニケーション能力が必要だ。また、アメリカの生活
習慣やルールを知っていて、一度はそれにのっとってアメリカ人にまぎれて日常生活をした経験がないと、このクルーズに参加して楽しむのは、かなり難しいと
思った。事前に送られてくるパンフレットや乗船・下船やビザについての重要な注意事項が書かれた冊子も、当然すべて英語。緊急によくされる船内放送や配布
ビラも、すべて英語。避難訓練にどのような格好でどこへ行って参加するかというのも、早口でこもり気味の船内放送でされ、デッキでの点呼も4ケタのルーム
ナンバーを呼ばれたら大声で応えなければならない。私は、「Drill」という意味がわかっておらず、必須参加だというのにあやうく避難訓練を逃すところ
だった。
来年以降、実際に参加に興味のある方は、どうぞ私までメールを! 質問いただければ、私の知っている範囲でですが、お答えいたしますよ! [michiko(at)take6(dot)netまで]